電子マネー

電子マネー

QRコード決済の台頭による電子マネーのシェア低下

QRコード決済の急成長により、電子マネーの決済額シェアは低下傾向にあります。2024年のデータでは、電子マネーの決済額は前年比3.1%減、シェアも5.1%から4.4%に縮小しました。

しかし、これは電子マネーの需要がなくなったわけではありません。決済額自体は微増傾向にあり、その根強い需要が示されています。

交通系電子マネーの強み

圧倒的な処理速度

Suica、PASMOなどの交通系ICカードは、改札などで一瞬の処理速度が求められる場面において、QRコード決済では代替できない独自の強みを持っています。0.1秒単位での決済完了が求められる交通機関での利用では、非接触IC技術の優位性は揺るぎません。

月間利用件数3億件突破

2024年7月、全国の交通系ICカード発行会社9社は、月間利用件数が初めて3億件を突破したと発表しました。これは、通勤・通学といった日常的な移動に加え、コンビニなどでの少額決済でも広く利用されていることを示しています。

相互利用の拡大

全国の主要交通系ICカード(Suica、PASMO、ICOCA、Kitaca、TOICA、manaca、PiTaPa、SUGOCA、nimoca、はやかけん)は相互利用が可能となっており、一枚のカードで全国各地の交通機関や加盟店を利用できる利便性があります。

流通系電子マネーの変化

WAON、nanaco、楽天Edyの現状

イオングループのWAON、セブン&アイグループのnanaco、楽天の楽天Edyといった流通系電子マネーは、それぞれ自社グループの店舗での利用が中心でした。しかし、QRコード決済の台頭により、各社は戦略の見直しを迫られています。

モバイルアプリへの移行

nanacoは2021年にモバイルアプリ「nanaco」を刷新し、スマートフォンでの利用を強化。WAONもイオンペイとの連携を進めています。楽天は、楽天Edyから楽天ペイへの移行を促進しており、今後は流通系電子マネーからQRコード決済への棲み分けが進むと考えられます。

電子マネーの今後の役割

特定用途での強み維持

電子マネーは、以下のような特定用途では今後も強みを維持すると考えられます:

  • 交通機関での利用(高速処理が必要)
  • 少額決済(100円、200円といった小銭の代替)
  • 自動販売機(非接触決済の利便性)
  • 高齢者層(スマートフォンを持たない層)

QRコード決済との共存

今後は、QRコード決済が主流となりつつも、用途や場面に応じて電子マネーとQRコード決済を使い分ける「共存」の時代になると予想されます。各事業者も、両方の決済手段を提供することで、ユーザーの多様なニーズに対応していくでしょう。