ニュースの概要
楽天ペイメントは11月4日、キャッシュレス決済サービス「楽天ペイ」で「超トク還元祭 第2弾」を始めました。期間は12月25日までです。今回初めて、全国の対象加盟店で使える「全国どこでもクーポン」を配信します。先着50万名が対象で、事前にクーポンを取得し、コード決済で1回500円以上を支払うと、楽天ポイント100ポイントが付与されます。吉野家やエディオンなど、個別の店舗向けクーポンも並行して用意されます。年末商戦の入り口に合わせ、決済の利用回数と利用店舗の幅を一度に広げる狙いがうかがえる施策です。
引用元: 楽天ペイ、全国の加盟店で使えるクーポンを初配信し、還元キャンペーンを開始(K-Tai Watch)
分析・見解
500円で100ポイントという還元率の大きさ
今回のクーポンは、条件を満たせば500円の支払いに対して100ポイントが付く計算です。還元率にすると最大20%にあたります。通常のコード決済の基本還元が0.5%から1%前後であることを考えると、桁違いの水準です。
ただし、これは先着50万名かつ1人1回という枠が前提です。仮に全員が満額を受け取っても、楽天側の負担は最大で5,000万ポイント、金額にして約5億円相当にとどまります。大規模な販促費としては抑えめで、1人あたり100円の「お試し代」と見ることができます。
全国共通にしたのは使う店を選ばせないため
これまでの決済アプリのクーポンは、特定の店や業種に結びついたものが中心でした。利用者は、クーポンがあるから行く店を決めることになります。
今回の全国共通クーポンは逆の発想です。どの対象店でも使えるので、利用者は普段の買い物の中で条件を満たせます。コンビニでも、ドラッグストアでも、昼食でも構いません。つまり、新しい行動を求めるのでなく、すでにある支払いを楽天ペイに寄せる設計です。
この違いは大きいです。利用者にとっては手間が小さく、加盟店にとっては自店だけが割引原資を負担しなくて済みます。
500円の下限が示す、狙いは使い始めの習慣化
下限が500円という点にも意図があります。数十円の少額決済では、利用者の満足度は上がっても、決済会社の採算は合いにくいからです。500円なら、昼食や日用品の買い物でちょうど届く金額です。
一方で、クーポンは事前取得が必須です。この手間で、本当に使う人だけが残ります。取得の操作自体が、アプリを開く習慣づけにもなります。
決済各社の競争は、PayPayのキャンペーンやd払い、au PAYの還元策と重なっています。どの社も、基本還元を上げ続けるのでなく、期間と人数を絞った大型還元で話題を作る方向に寄っています。今回もその流れの中にあります。
楽天経済圏の中で決済が担う役割
楽天ペイは、楽天カードや楽天市場、楽天モバイルとポイントでつながっています。決済の利用が増えると、ポイントの流通量も増え、他サービスの利用にも波及します。
ポイント経済圏の競争では、決済は入り口にあたります。入り口の利用者を増やせれば、後ろのサービスで回収できる、という考え方です。今回の50万名という規模は、その入り口を狙った投資として妥当な大きさに見えます。
注意したいのは、期間限定ポイントの扱いです。使い切りやすい設計なら、再び楽天のサービス内で消費されやすくなります。
ビジネスへの影響
加盟店が今のうちに確認しておきたいこと
対象加盟店になっている店舗は、期間中にコード決済の利用が増える可能性があります。レジの案内表示や、店員がクーポンの存在を知っているかどうかで、取りこぼしが変わります。
特に、客単価が500円前後の業態は、下限をまたぐかどうかで利用者の行動が変わりやすいです。セット商品や追加の一品を提案するだけで、条件達成を後押しできます。
決済手数料と販促を一体で考える
加盟店にとって、決済手数料は固定費に近いものです。一方で、今回のような大型還元は、手数料を払うだけで集客の後押しを受けられる機会にもなります。
自社の売上のうち、コード決済が占める割合を一度集計してみてください。割合が低い店は、期間中に案内を強めることで、新規の来店を増やせる余地があります。割合が高い店は、混雑や会計の速度が課題になります。
利用者向けの発信と記録の取り方
期間が12月25日までと長いので、前半と後半で案内の内容を変えるのも一案です。前半は取得を促し、後半は条件の達成を促す、という流れです。
実務としては、期間中の売上を決済方法別に記録しておくことをお勧めします。キャンペーン後に、通常月との差が見えれば、次の販促判断の材料になります。